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2024.02.19

サルモネラとは

サルモネラには多くの種類があり、2つの表面構造(O(菌体)抗原とH(鞭毛)抗原)の組み合わせにより約2500以上の種類(血清型)があります。ヒト以外の動物のみに病原性をもつものと、ヒトに病原性をもつものがあります。

ヒトへの感染は、大きく2つに分類されます。
(1) 全身感染症であるチフス菌(Salmonella Typhi)パラチフスA菌(Salmonella Paratyphi)による全身感染症。
(2) 非チフス(チフス菌、パラチフスA菌以外)による胃腸炎(食中毒)

(1)3類感染症に指定されています。腸チフス、パラチフスのことで、自然宿主はヒトです。日本で発生した事例は、おもに海外渡航者(東南アジア、南アジアなど)です。
(2)5類感染症に指定されており、食品衛生において問題となる食中毒の原因がこれにあたります。サルモネラ食中毒といえば、(2)のことを指しています。

サルモネラ(非チフス性)は、自然界のあらゆるところに生息し、家畜(ブタ、ニワトリ、ウシ)、ペット(イヌ、ネコなど)、爬虫類(ミドリガメなど)などで保菌しています。
子供の頃に「ミドリガメを触ったら手を洗うように」と言われたことがあるかと思います。ミドリガメに関わらず、ペットの世話をした後は、十分に手を洗いましょう。

サルモネラ(非チフス性)は、6~48時間の潜伏期を経て発症することが多く、悪心・嘔吐、腹痛、下痢、発熱などの症状が現れます。緑色の水様便のときは、サルモネラの可能性があります。
軽症の場合は抗生剤を使用せずに、ほかの胃腸炎と同様、対症療法(症状を緩和するための治療)を行います。

サルモネラの感染予防は・・・

・ペットの世話をした後は、十分に手を洗いましょう。
・生卵や生肉(特に鶏肉)に触れたら、十分に手を洗いましょう。
・卵は冷蔵保管。卵を割ったらすぐに調理する(割り置きはやめましょう)。

次回の記事は、『サルモネラ菌無症候性保菌』について説明します。

 

『検便でサルモネラ陽性と言われたけど・・・??』(当クリニックHPブログ2024.02.19「検便でサルモネラ陽性と言われたけど・・・??」参照)

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