今回は、ピロリ菌の除菌治療に関しての内容です。
ピロリ菌陽性と言われて、除菌治療を行った方も多いと思います。
また、これからピロリ菌の除菌治療を行う方もいるかと思います。
ピロリ菌を除菌するためには、抗生剤と制酸剤を1週間内服する治療を行います。
除菌治療は、1次除菌、2次除菌までが保険適応です。つまり保険診療で行う除菌治療のチャンスは2回です。よって1回1回がとても大切な治療になります。
もちろん、1次除菌治療でピロリ菌の除菌に成功すれば、2次除菌治療を行う必要はありません。
【1次除菌】
ボノプラザン+アモキシシリン+クラリスロマイシンを1週間内服します。
成功率は、約90%です。アモキシシリンはペニシリン系抗生剤のため、ペニシリンアレルギーの方は、1次除菌治療を行うことが出来ません。
【2次除菌】
1次除菌治療で不成功の方が行う治療です。
ボノプラザン+アモキシシリン+メトロニダゾールを1週間内服します。
2次除菌までで、95%以上の方がピロリ菌の除菌に成功します。これもアモキシシリンを使う治療のため、ペニシリンアレルギーの方は行うことができません。
【3次除菌】
数%の方は、2次除菌まで頑張っても、ピロリ菌を除菌できません。その場合は保険適応外(自費)になりますが、1次除菌・2次除菌で使用した抗生剤とは異なる抗生剤を使用して3次除菌を行っています。
ペニシリンアレルギーで、ピロリ菌の除菌治療をご希望される方にも対応していますのでご相談ください。
ピロリ菌の除菌治療において大切なことは以下のことです。
・治療中止すべき副作用(薬疹、血便など)が出ない限り、1週間しっかり薬を飲み続ける。
・1週間内服して安心するのではなく、除菌治療後の判定検査を必ず受ける。
※1次除菌においては10人に1人は不成功なので、失敗率はそれなりの確率です。
・ピロリ菌の除菌治療に成功することで、胃がんに罹患するリスクが低下する。
ただし、もともとピロリ菌がいない胃とは違い、ある程度の発がんのリスクがあるため、除菌成功後も年1回胃カメラを受ける。