今回は、初めての投稿ですので、消化器関連の内容をご紹介します。
「健診の便潜血検査で陽性になったから要精査といわれたけど、痔があるから・・・」「来年も陽性だったら受けます・・・」と大腸カメラを先延ばしにする方がいます。
私としては、検査をおすすめしますが、検査は本人の同意がない以上施行することはできないため、理解していただくよう繰り返し説明しています。
繰り返し検査をすすめて検査した結果、大腸がんが発見され完治できて感謝された経験が何度もある一方、そのときは検査を受けないで後になって症状が出てから受けたら取り返しがつかないことになっていたということを経験しています。私がもっと強く検査をすすめていれば・・・と後悔しましたが、ご本人が一番後悔していることは言うまでもありません。
日本対がん協会のデータによると、2017年度に全国で行った大腸がん検診の結果では、受診患者は253万7352人、うち精密検査が必要と判断された人は15万4004人です。この中で精密検査を受けた人は10万5826人(68.7%)で、このなかでがんを発見されたひとは4400人です。ということは単純に計算して2000人程度は大腸がんがあっても検査を受けていないことになります。
もし大腸がん検診を1万人の方が受けたら、その検診で大腸がんがみつかる人数は17人で、大腸がんがあっても検査を受けなかった人数は約8人です。これが多いか少ないかはそれぞれの感覚によりますが、せっかく検診を受けたのにがんを治療する機会を逃してしまっている人がいることはとても残念です。
大腸がんでなくても、検査を受けたために、便の検査では発見できない(がんになり得る)ポリープをたまたま発見することもよくあることです。
私はいままで、鎮静剤(眠くなる薬)を積極的に使用する病院と、積極的には使用しない病院どちらも経験しています。
大腸カメラを敬遠している方は、大腸カメラで辛い思いをして(あるいは辛い思いをした人の体験談をきいて)躊躇している方と、検査の結果が心配で受けたくないと思っている方がいると思います。
大腸カメラ自体の大変さは、(希望すれば)鎮静剤を使えば半分は解決します。もう半分は下剤を飲む大変さですが、これは正直頑張ってもらうしかありません(私自身も何度も検査を経験しているのでわかります)。
検査結果が心配で検査を受けない方の気持ちもわかります(医師の私でも気持ちは一緒です)。しかし、特に大腸がんは早期発見すれば完治できる可能性が十分ある病気です。勇気を出して検査を受けていただければと思います。
検査をうける病院に当院を選択して頂ければ、当然しっかり対応します。そうでなかったとしても、大腸カメラを受ける人が増えて、大腸がんで苦しむ方が少しでも減ることを願っています。