当院には、潰瘍性大腸炎の治療のために通院されている方が多くいらっしゃいます。
前職場から継続して診察をさせてもらっている方々の個々をみれば、おおむね経過良好でも、山あり谷あり(寛解と増悪を繰り返す)という方もいます。多くの方はコントロール良好ですが、一部の方は悪化してしまう方がいることも事実です。
症状が落ち着いたから薬を自己中断してしまった…という方もいますが、しっかり薬を続けているのに悪化してしまうこともあります。
どのような時に悪化するのか、どの時期に悪化するかは人によって様々です。
例えば、「仕事が忙しい時に…」「秋の季節の変わり目に…」「焼き肉を食べると…」などとう方がいます。
基本的に潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患はどのように病気と付き合うかが大切になってきます。仕事をセーブするのは難しいこともあると思いますが、ストレスの解消や自分と向き合う時間をつくることは、病気を悪化させないためには有効です。潰瘍性大腸炎は、基本的に食事制限はありませんが、食べ物によってはお腹の調子が悪くなる場合があります。それは人によってさまざまで、病気と長く付き合っていると、医者よりも患者さん本人の方がわかってきます。それを自覚して避けていけばよいかと思います。
患者さんとの付き合いが長くなると、この患者さんは「この時期は要注意だな」とか「悪くなった時にこの薬を使えばよくなるな」など、私の方も対応の仕方がわかってきます。
潰瘍性大腸炎のように長く付き合う病気は、医師と患者の意見交換が重要になってきます。コミュニケーションをとることで、いつもとは違う微妙な変化に気付くことができますし、お互いの信頼関係が生まれると、定期的に受診して薬を継続することができます。
潰瘍性大腸炎をコントロールするためには、
1. 症状が落ち着いても薬を続ける。
2. 悪化するタイミングや食事などを理解して、それを避ける。
3. もし症状が悪化した場合は、早めに医師に相談する。