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2025.03.28

胆嚢腺筋腫症 健診で指摘されたら…

健診で指摘される良性疾患で多いのが、胆嚢ポリープ、胆嚢結石、胆嚢腺筋腫症です。

今回は、胆嚢腺筋腫症(たんのうせんきんしゅしょう)に関して、ご説明いたします。

 

胆嚢腺筋腫症とは

胆嚢の壁が厚くなる良性疾患です。成因は諸説ありますが、原因は不明です。

胆嚢の一部が厚くなる場合(底部型、分節型)と胆嚢の壁全体が厚くなる(びまん型)があります。

【頻度】

頻度は、切除された胆嚢の2.1~14%、ドックで超音波検査を受けた0.12~0.49%と報告されています。40~60歳代の男性に多いとされています。

【症状】

ほとんどの場合、無症状ですが、なかには症状が出やすい人もいます。

胆嚢腺筋腫症は、胆嚢結石(胆石)を持っている人が多かったり、胆嚢内圧が高くなることがあるため、胆石発作の症状(あるいは似たような症状)が出ることはあります。

ちなみに、胆嚢腺筋腫症に胆石を合併している率は5%前後とされています。

もう一つ気になるのが胆嚢がんとの関係です。

胆嚢がんとして胆嚢切除したうち10%前後に胆嚢腺筋腫症を合併していると報告されています。

逆に、胆嚢腺筋腫症の診断のもと胆嚢切除したうちの6.5%前後に胆嚢がんを合併していると報告されています。そう考えると高率に胆嚢がんの可能性があると思われるかもしれませんが、明らかに胆嚢腺筋腫症の場合や胆嚢腺筋腫症の可能性が高い場合は、手術しないで経過観察するため、胆嚢腺筋腫症のうちの6.5%に胆嚢がんを合併しているわけではありません。結局のところ、胆嚢腺筋腫症と胆嚢がんの関連はいまだ解明されていません。

 

【診断】

腹部超音波検査でも診断が可能ですが、超音波検査で診断できない場合はMRI(MRCP)が有用です。さらに、胆石が多い人は超音波検査やMRIで観察しにくい場合があるため、造影CTが有用です。胆嚢腺筋腫症は、比較的容易に診断できる場合もありますが、胆嚢がんの識別が難しい場合もあるため、念のため慎重な対応をしています。

 

【方針】

症状がある場合や、胆嚢がんの可能性がある場合は手術が推奨されます。

手術適応がないと判断された場合、つまり症状がなく胆嚢がんを疑う所見がなかった場合は経過観察となります。経過観察はガイドラインがあるわけではないため、医師により対応が多少異なります。私は、がんの可能性が少しでもある場合は、病変がみつかった2~3か月後に再検査、がんの可能性が極めて低いと判断した場合は6か月後に再検査、変化がなければ1年に1回検査を行っています。

 

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