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2023.02.27

鎮静剤と全身麻酔の違い

今回のテーマは、鎮静と全身麻酔の違いです。

 

内視鏡検査を予約する際に、よく言われる要望があります。

「全身麻酔でお願いします!」

 

私が、「内視鏡検査では全身麻酔を行うことはないので、鎮静剤・眠くなる薬を使用します」とお伝えしても、「全身麻酔がいいです!」となります。よくあるやり取りです。

患者さんが「麻酔」という言葉を使い、医師も「麻酔」と言っていることがあるので定着してしまったのかもしれません。

 

全身麻酔は、意識・記憶・全身の痛みがない状態を意味しており、気管挿管・人工呼吸などの呼吸管理が必要になります。ドラマでみる手術の光景です。

鎮静は、鎮静剤を投与して神経の興奮をしずめることですので、体は痛みに反応します(ほとんどの人は覚えていません)。つまり、鎮静剤を使うメリットは、不安感を和らげられること、(多くの方は)眠った状態やウトウトした状態で検査を受けられることです。

 

繰り返しになりますが、通常の内視鏡検査では『鎮静』はしますが、『麻酔』はしません。

 

胃カメラで辛いのは痛みというより、反射で「オエッ」となることなので鎮静剤(眠くなる薬)を使用しています。

大腸カメラで辛いのは痛みなので、鎮静剤と鎮痛剤を使用しています。

私は、鎮静剤・鎮痛剤はあくまでも補助だと考え、鎮静剤や鎮痛剤を使用しても使用しなくても丁寧な内視鏡操作を心掛けています。とはいえ、反射が強い人、痛みに弱い人、癒着があって辛い思いをしてしまう人がいることは事実です。

鎮静剤は適切に投与・対処すれば決して怖い薬ではないので、当院では希望に合わせて積極的に鎮静剤を使用しています。

検査は辛いというイメージから、検査を受けないで病気の発見が遅れることだけは避けたいです。胃がんや大腸がんは発見が早ければ根治できる可能性がある病気です。検査を過度に恐れず、検査を受けてみてはいかがでしょうか。

 

~まとめ~

・通常の内視鏡検査で使用するのは鎮静剤です。全身麻酔は行いません。

・鎮静剤は適切に投与・対処すれば、決して怖い薬ではありません。

・検査に対して不安な人は、鎮静剤を使用した内視鏡をご検討ください。

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