高血圧症~原発性アルドステロン症について~
原発性アルドステロン症・・・
聞きなれない病気かもしれませんが、高血圧症の方のうち、約5%がこの原発性アルドステロン症と考えられています。
まずその前に、副腎とは?
左右の腎臓の上に位置する2~3cm程度の小さな臓器です。
アルドステロン、コルチゾール、アドレナリン、ノルアドレナリンという生命の維持に大切なホルモンを出す大切な臓器です。
原発性アルドステロン症
副腎からアルドステロンが過剰に分泌され、高血圧や血清カリウム濃度が低くなる病気です。アルドステロンは、腎臓で産生されるレニンという蛋白により分泌を促されます。
しかし、原発性アルドステロン症は、副腎からアルドステロンが自律的に過剰に分泌される病気です。
診断は、アルドステロンが高値、レニンが低値になるため、ARR(アルドステロン/レニン活性)≧200かつ血漿アルドステロン濃度≧60pg/mLであれば、原発性アルドステロン症を疑います。
原発性アルドステロン症の症状は?
高血圧による頭痛、低カリウム血症による脱力などが考えられますが、実際は自覚症状がないことがほとんどです。血圧が高いことが、唯一の発見のきっかけです。
長期間放置すると、通常の高血圧(本態性高血圧)と比較して、脳卒中、心筋梗塞、不整脈、腎不全などを効率に合併すると言われており、早期に診断して、適切に治療することが重要です。
治療は?
薬物治療、手術などが選択されます。
原発性アルドステロン症の疑いがあれば、確定診断および治療を、専門医療機関に依頼しています。
以下に当てはまる方は、原発性アルドステロン症罹患の可能性を考えます。心当たりのある方は、ぜひご相談ください。
①未治療の高血圧(150/100mmHg以上)
②薬が効きにくい高血圧
③低カリウム血症を伴う高血圧症
④高血圧を伴う副腎腫瘍
⑤若年での脳卒中発症
⑥40歳未満での高血圧発症
⑦睡眠時無呼吸を伴う高血圧