ブログ

2023.03.20

X線検査と被ばくについて

今回は、X線検査と被ばくについて、簡単にご説明いたします。

 

X線検査】

放射線(X線)を使用する主な検査に、胸部・腹部X線検査(いわゆるレントゲン)、XCT検査(CT)、胃透視(バリウム)、マンモグラフィー、心臓カテーテル検査、PET-CT検査などがあります。

X線検査やCT検査をすすめると、「被ばくが心配だから検査を受けたくない。」「この前レントゲンを受けたばかりだけど、CTを受けても大丈夫?」と訴える方がいます。

結果からお話ししますと、適正に胸部X線検査やCTを受けた場合、健康被害を起こす被ばく線量に達することは通常ありません。

もしCTを繰り返し受けることをすすめられるとすれば、検査を受ける利益が、検査を受けない不利益を上回る場合です。正しい知識を持った医師であれば、CTを必要以上に行うことは考えられません。よって、医療被曝に関して言えば、必要以上に心配しない方がよいと言えます。

 

 

                                           環境省HPより

  

                                           環境省HPより                 

 

 

【放射線量と体への影響】

 

健康被害が起こりえる線量は100~200mSv(ミリシーベルト)以上であると考えられています。

以下に例を挙げます。

 

・胸部X線撮影→0.06mSv

XCT検査→530mSv

 

100mSv →胎児奇形のリスクがあるかもしれない線量

200mSv →発がんのリスクがあるかもしれない線量

250mSv →一時的な白血球の減少

5001000mSv →吐き気、嘔吐、倦怠感

7000mSv →被ばくした99%の人が死亡

 

200mSv以下の場合は、放射線によりがんになったかわかりません。喫煙、多量飲酒など方が発がんのリスクが高いかもしれません。それより、必要な時にX線検査を受けない方が、発見できる病気を発見できなくなる可能性があります。

 

放射線と生活習慣によってがんになるリスク

放射線の被ばく線量

生活習慣因子

がんの相対リスク

1000~2000mSV

 

1.8倍

 

喫煙

1.6倍

 

飲酒(毎日3合以上)

1.6倍

 

痩せ(BMI19

1.29倍

 

肥満(BMI30

1.22倍

200~500mSv

 

1.19倍

 

運動不足

1.15~1.19

 

塩分の取りすぎ

1.11~1.15

100~200mSv

 

1.08倍

 

野菜不足

1.06倍

出典:国立がん研究センター

相対リスクとは、それぞれの因子を持つ集団がん発生率を、その因子を持たない集団の

発生率で割ったもので、その因子のがんに罹る割合が何倍高いかという数値。

 

また、どの文献をみても、日常的に行われているX線検査では、がん、胎児奇形が発生することはないとされています。とはいえ、最近何度もX線検査を受けている、妊娠中などは検査前に必ず申告してください。

 

CTMRIの違い〗

「この前MRIを受けたけどCT受けて大丈夫?」と質問されることがあります。

CTMRIの違いは、先に説明したようにCTが放射線を使用しているのに対して、MRIは磁力を使用しています。よって短期間に両方を受けても何ら問題はありません。

CTをしないで最初からMRIで『詳しく』みてほしい」との訴えもよく聞きます。『MRIの方が精密』と思われていることがあるようです。CTMRIは特徴、得意分野が違い、医師はそれを使い分けています。場合によっては両方必要なこともあります。

 

~まとめ~

・日常的に行われているX線検査で健康被害を受けることはない。

X線検査を受ける必要がある時は、過度に心配せずに検査を受ける。

0459710260 LINE予約 WEB予約